がん相談
当病院では、がんでお悩みの患者さんやご家族からのご相談をお受けしております。
がんになると、治療や療養生活・経済面など様々な不安や悩みが生じます。
総合支援センターでは、専任の看護師やソーシャルワーカーがそれらの不安や悩みを一緒に考え、支援を行います。
お気軽にご相談ください。
ご相談の内容によっては、お時間を頂くことがありますのであらかじめご了承ください。
相談内容は秘密を厳守いたします。相談は無料です。
■相談内容(例えばこのようなご相談について一緒に考えます)
- がんについて一般的な情報を知りたい
- がんと言われ頭の中が真っ白になってしまった
- がんの治療や副作用について知りたい
- 緩和ケアについて知りたい
- 自宅で過ごしたいがどうすれば良いかわからない
- 家族としてどのように対応してよいか分からない
- 医療費や仕事の不安がある
- セカンドオピニオンについて聞きたい
- その他、様々なご相談に応じています。
■相談窓口
1階 総合支援センター
■受付時間
月~金(土・日・祝祭日を除く)
9:00~17:00
■問い合わせ
011-831-5151(代表)
総合支援センター 相談担当をお呼びください。
■相談の流れについては「医療福祉相談」をご覧ください。
緩和ケア
■緩和ケアとは
緩和ケアとは、患者さんやご家族の身体や心のつらさを和らげ、出来る限りその人らしい生活を実現するための医療です。
緩和ケアは、一般的に末期がんの「終末期医療」と混同されやすい傾向にありますが、病気の進行度には関係なく、診断されたときや治療中など、どの時期においても並行して行われる医療です。
がん治療の経過中には、さまざまな症状がみられることがあります。例えば、がんの手術後の痛みやがん自体の痛み、化学療法や鎮痛薬などの副作用からくる吐き気、便秘等の苦痛症状、さらに気持ちの落ち込みや、不眠などがあるかもしれません。
これらの症状があると患者さん自身にとっては苦痛であり、ご家族にとっても不安であり、ひいてはがんの治療にも支障をきたします。特に日本人は我慢強いと言われ、多くの患者さんは耐えようとしています。苦痛な症状を我慢しすぎると、食事がとれない、眠れない、動けないなど様々な弊害が起こります。そうなると治療の副作用からの回復が遅れ、治療のスケジュールが滞ることもあります。そんなとき、苦痛を和らげる治療・ケアを並行することで、治療の効果も上がるといわれています。
苦痛は様々なことが影響して生じています。 これらの痛みを別々に切り離すのではなく、 包括的に捉えます。 |
■がんの痛みについて
がんの痛みの特徴
- がんの痛みは、早期・末期といった病気の進行度に関わらず起こります。
- 診断されたときからすでに3割の方が、進行がんになると6~7割の方が痛みを感じていると言われています。
- 痛みが続くと、眠れない・食べられない・考えられないなど日々の生活に支障をきたします。
- 我慢していると、痛みの感覚が敏感になりさらに痛みが強くなったり、鎮痛薬が効きにくくなってしまいます。
- 適切な鎮痛薬・医療用麻薬を使用することで痛みが軽減し、治療や生活が続けられます。
がんの痛みの原因
- がん自体が原因となった痛み …内臓の痛み、骨の痛みなど
- がんに関連した痛み …便秘や床ずれの痛みなど
- がん治療に関連した痛み …手術や放射線治療後の痛み、化学療法の副作用など
- がん患者さんに併発したがん以外の病気による痛み …元々持っている関節痛や、免疫機能の低下による帯状疱疹の痛みなど
痛みの治療
がんの痛み治療には、医療用麻薬などの適切な薬剤があります。また、手術療法や放射線治療、神経ブロックなどの治療を行うこともあります。生活への影響を考えながら、治療を考えていきます。
鎮痛薬についての誤解
「麻薬」と聞くと、「身体に悪い」「命を縮める」「頭がおかしくなる」「中毒になる」「最期に使うもの」と思われることが多くあります。しかしそれらは誤解であり、一般的に報道などで伝えられる「麻薬」とは異なります。がんの痛みに対して「医療用麻薬」を正しく使用することで、痛みだけでなく日々の生活状況が改善し、中毒になったり頭がおかしくなることはありません。命を縮めることもありません。「医療用麻薬」を長期間使用し、普通の日常生活を送っている患者さんは大勢いらっしゃいます。
患者さんのご協力が必要です
昔は、痛みを我慢することが美徳とされたこともありました。しかし、痛みを我慢すると鎮痛薬が効きにくくなり、治療や生活に支障をきたしてしまうため、早いうちに治療を開始することが大切になります。
そのためには、自分の痛みの症状を医療者に伝えることが必要になります。
「治療中に何度も言うと失礼ではないか」「このくらいなら我慢できる」と思う方もいるかもしれません。しかし痛みは患者さん本人にしか分かりません。いつ、どこが、どのような痛みで、生活にどんな支障があるのか、医療者に伝え理解を得ることで、その後の痛み治療の大切な要素になります。
遠慮せずにいつでも率直にお伝えください。
■緩和ケアチーム
平成25年4月より、緩和ケアチームが設置されました。現在は入院患者さんを中心に活動しております。
緩和ケアチームでは、患者さんやご家族が、がんに伴う痛みやつらい身体症状、不安、生活上の心配事などを少しでも軽減し、治療に取り組み、日々の生活を過ごせることを目的とし、担当医師や担当看護師などと協力しながら、専門のスタッフが支援します。
緩和ケアチームメンバー
身体症状担当医師
精神症状担当医師
緩和ケア認定看護師
がん性疼痛看護認定看護師
がん化学療法看護認定看護師
総合支援センター看護師
薬剤師
理学療法士
作業療法士
管理栄養士
ソーシャルワーカー
緩和ケアチームの関わるケース
患者さん・ご家族の「つらさ」を和らげることを目的としているため、病状の進行程度は問いません。多職種で構成されたチームで、様々なケースの対応をしております。生活の工夫などもお伝えすることができます。
緩和ケアチームの支援をご希望される方へ
緩和チームの支援をご希望される場合は、担当医師もしくは担当看護師にご相談ください。患者さんのお困りの問題を詳しく伺い、担当医師や担当看護師と連携をとりながらチームで解決策を相談していきます。
化学療法室
外来化学療法室では、外来で行われるがん薬物療法を行っています。当院で行われるがん化学療法のうち約7割が外来で行われています。
がんの治療を受ける患者さんはさまざまな不安を抱え生活されています。
私たち看護師は、患者さんが治療を受けながら出来るだけ普段通りの生活を送ることが出来るよう副作用のマネジメントやサポート体制の強化に取り組んでおります。副作用やご自宅での生活で困った事があれば、看護師にご相談下さい。治療を受ける患者さんに対しては、夜間や休日を問わず対応する体制をとっております。
≪来院から治療までの流れ≫
①再来受付後、外来化学療法室へ
②問診 化学療法室で体温・血圧測定、採血、体調の確認を行います
③診療科での診察(問診の内容は診療科外来へ伝達します)医師が当日の体調と採血の結果をみて治療可能か判断します。
④治療可となれば、外来化学療法室へ戻り治療を開始します。
⑤治療終了後会計へ
⑥帰宅 処方は院外処方となっております
外来化学療法室では「治療が安全・安楽に行われること」「患者さんが安心出来る治療環境を作ること」を目標とし、がん化学療法看護認定看護師を中心にスタッフ教育にも力を入れています。
薬剤部、総合支援センター、病棟など他部門と連携し、チームで患者さんを支える体制をとっています。初めて外来で化学療法を受ける患者さんには、看護師からオリエンテーションを行っております。また、薬剤師からの服薬指導を受けることも可能です。
■がん化学療法レジメンについてはこちらをご覧ください。
患者図書室・サロン
当病院では、外来患者さん、入院患者さん、ご家族など皆様に医療に関する情報を提供できるよう、患者図書室・サロンを設置しております。
病気や治療法などについて学び調べ、理解を深めていただくための図書や、がんに関するさまざまなパンフレットやリーフレットを設置しております。
またこの場所は、患者さん同士の交流や情報交換、癒しの場を目的にしております。交流会や勉強会なども随時企画・開催いたします。開催時には、ホームページやポスター等でお知らせいたしますので、お気軽にご参加ください。
■場所
外来棟 2階東側(泌尿器科・小児科横)
■利用時間
月~金(土・日・祝祭日を除く) 8:00~17:00
■ご利用に際してのお願い
- 図書室内での閲覧は、自由です。
- 図書室内で閲覧された本は、元の場所へお戻しください。
- 患者図書室に設置している図書は、特定の治療法・薬・医師・病院を推奨しているものではありません。
- 図書から得た医療情報はあくまで参考にとどめ、個別の症状等については担当医師や担当看護師にご相談ください。
- 室内での飲食・携帯電話の使用はご遠慮下さい。
研修会
当病院は、地域でがん診療やケアに携わる職種間のネットワーク構築と学びの共有を目的として、定期的に地域との研修会を行っております。
詳細は当病院広報誌「JCHO北海道病院だより」をご参照ください。