当院は、令和6年3月から手術支援ロボット「ダヴィンチXi」を導入し泌尿器科・外科で手術を行っております。
ダヴィンチの紹介
ダヴィンチ手術は患者さんの体に小さな穴をあけて行う、傷口が小さい低侵襲の手術です。
術者がサージョンコンソール(コックピットのようなもの)で三次元表示モニターを見ながらロボットのアームについた鉗子やカメラを動かすことで手術が進みます。光ファイバーで情報をやり取りしているのでタイムラグはほとんどありません。
ダヴィンチの鉗子は手首以上の可動域と、柔軟でブレのない確かさを持ち、指先にも勝る細やかな動きを可能にしています。
手ブレ防止機構とモーションスケール機能がついていて従来の内視鏡手術用鉗子よりも精密で繊細かつ複雑な動きが可能です。
専用カメラは3Dでズームもあり視野も広く奥行きの把握も良好です。
ロボット支援手術は、空間の中でかなり自由に鉗子を操作することが可能です。患者さんにとっても出血量を抑え、術後の疼痛を軽減、機能の温存、合併症のリスクを大幅に回避するなど様々なメリットがあります。
当院でのダヴィンチ手術
当院では泌尿器科・外科(消化器、呼吸器領域)でダヴィンチXiを使用した手術を行っています。
ロボットの操作には熟練が必要なため、執刀はダヴィンチ手術の認定ライセンスを受けた医師とロボット手術チーム(看護師、ME)が担当します。
泌尿器科
・ロボット支援手術によるメリット
前立腺や膀胱といった骨盤内の深い位置による臓器でもしっかりと確認でき、繊細で確実な手術が可能です。出血の軽減や、術後の機能改善が良いことがロボット支援手術の利点です。腎部分切除術や腎尿管摘除術では、ロボット支援手術を行うことでがんを確実に摘除することが可能になります。
3時間程度の手術、出血量は200ml程度です。従来の手術に比べて出血量が少なく術後の尿失禁も少ないことが利点です。
尿路変更を含めて6~8時間の手術です。開腹手術に比べて出血量が少なく、傷が小さく創感染症が少ないです。
2~3時間程度の手術です。より困難な腫瘍に対しても腎部分切除が可能です。
その他、腎尿管摘除術、腎摘除術も行っています。
外科
・ロボット支援手術によるメリット
①小さい創口で少ない出血量で体への負担が少なくなること
②多関節で、繊細な動きのできるアームで狭い空間でもスムーズで込み入った操作が可能となり、専用カメラによる3次元立体画像を見ながら手術を行うことでより安全に確実な手術ができること