中心静脈注射用植込型カテーテルは抗がん剤の投与を確実に行う目的でがんの患者さんに行っていますが、誤嚥性肺炎のため経口摂取が難しくなる高齢者が増加しており、同カテーテルを留置して高カロリー輸液をする症例が増えています。ワクチン接種をしていない方の重症コロナ肺炎はまだ時々経験しており、長期の人工呼吸管理を行うことから気管切開術も行っています。

大腸ポリープの内視鏡治療、総胆管結石や胆膵悪性腫瘍に関する内視鏡治療治療が上位を占めています。

小児科に入院するお子さんの手術で多いのは、新生児仮死蘇生と入院中の鼓膜処置です。鼓膜切開は、肺炎等のために入院した際に合併した中耳炎に対する治療として行ったものが主体です。新生児仮死蘇生術（仮死1度のもの）で転院となった例は、外科治療を必要とする先天性の疾患の合併によるもので、新生児仮死が原因ではありません。

胆石・胆嚢炎に関連した腹腔鏡下胆嚢摘出術、また腹腔鏡・胸腔鏡下での杯悪性腫瘍手術及び虫垂切除術が上位を占めております。

股関節外傷に対する骨接合術、人工骨頭の手術が件数の上位を占めています。
また、上肢疾患にも対応しています。

産婦人科としては婦人科診療よりも産科診療が主体となっており、帝王切開術を含めた産科手術の割合が高くなっています。

前眼部の手術（翼状片、眼瞼など）は入院と日帰り両方で行います。光凝固治療は網膜は外来で、急性緑内障は眼の状態で入院治療後と外来のいずれかで治療を行います。

扁桃摘出術や、滲出性中耳炎の治療となる鼓膜チューブ挿入術、慢性副鼻腔炎の治療となる内視鏡下鼻・副鼻腔手術が多くを占めております。

・経皮的肺動脈塞栓術後のための入院で入院当日に施行し術後3日目に退院となっております。

腫瘍の中でも良性腫瘍の摘出術が多くを占めております。

前立腺肥大症に対しては、ツリウムレーザーを用いた計尿道的前立腺蒸散術を行っています。術後の出血は少なく、大きな前立腺にも手術が可能なレーザーです。1週間程度の入院で行っています。 尿管結石、腎結石に対してはホルミウムレーザーを用いた経尿道的結石砕石術を行っています。大きな問題がない場合は、術後2-4日での退院が可能です。
水腎症がある症例、水腎症があり結石性腎盂腎炎となっている症例、などに対して経尿道的尿管ステント留置術を行っています。患者さんの状態により、麻酔下で行う場合、無麻酔ですが鎮痛薬を使用して行う場合、を選択しています。 膀胱癌に対して、経尿道的膀胱腫瘍切除術を行っています。癌の状態や、患者さんの状態によって、PDD(photodynamic diagnosis)を用いた手術を選択しています。PDDを用いることで、術後の再発率が下がることが報告されています。　　

例年通り内シャント造設術が最多ですが、血管荒廃している症例は他院に手術依頼する場合もあるため、件数自体は減少傾向にあります。
シャントPTA（VAIVT）の件数が増加傾向にあります。腹膜透析カテーテル留置数は一定数で維持しています。

心疾患だけでなく、下肢閉塞性動脈硬化症に対する介入治療が近年増加しています。

膠原病を有する高齢者で、感染症などを契機に、食事摂取ができない症例に対しては、中心静脈注射用植込み型カテーテルからの栄養補給も必要になることがある。
また、高齢化を背景に他疾患の合併がある症例も多く、鑑別のためのリンパ節生検や、総胆管結石への対応を必要とした症例もあった。