昨年度に比較して473人増加しています。

0～代と70～代以降の方が増加が目立ちます。

２型糖尿病に対するインスリン注射を伴った治療や教育的入院、他の疾患に対する手術のための血糖コントロールを目的とした入院が多くを占めております。１型糖尿病にも対応しておりますが、生活習慣病である２型糖尿病の人数と比較すると、やはり少なくなります。

その他原発性アルドステロン症を初めとした内分泌疾患の確定診断を目的とした入院も行っております。

原発性肺癌を主とする悪性腫瘍に対する抗癌剤治療、検査・治療のための入院および間質性肺炎が上位を占めています。間質性肺炎は通常の肺炎（細菌・ウィルスが原因）とは異なり、原因不明の炎症・繊維化が肺の間質（肺胞と肺胞の間の組織）におこる病気です。間質性肺炎は難病であり大学病院を除いた一般の病院では当院は非常に数が多いと言えます。誤嚥性肺炎は高齢化社会で増加傾向にあり、ここ数年で上位になってきています。

大腸ポリープの内視鏡手術、総胆管結石・胆道感染に対する内視鏡的な手術、腹膜炎・膵腫瘍に関する治療が上位を占めていますが、消化器疾患全般に対応しております。

当院に紹介される膠原病患者では、重篤な臓器病変を有する患者が多いが、経過中に他疾患を合併し、当科での診療継続を希望される紹介患者が増えてきている。また、近年の高齢化社会を反映して、膠原病とは直接関連のない併発症、特に誤飲性肺炎やADL低下による入院患者も増え、転院を要する長期入院も増えてきている。

出生体重2500g以上の新生児は母体疾患に関連した入院であることが多く、平均在院期間は母体の在院期間を反映しています。一方、出生体重1500gから2500gの新生児は、合併症のある重症度が高い新生児や出生体重が2000未満の新生児の割合が高く、全国平均より在院日数が長くなっています。上気道炎の平均在院期間は全国平均より1日長い結果ですが、年度により変動が大きいです。

当院の外科は呼吸器センター、消化器センターのチームの一員として、呼吸器外科、消化器外科的手術を多く行っております。

胆嚢結石に伴う胆嚢摘出術や、肺や結腸の悪性腫瘍に対する切除術、虫垂切除術（盲腸）が多くを占めております。傷口が少なく比較的短期間で退院可能な腹腔鏡・胸腔鏡手術を積極的に取り入れておりますが、状況に合わせて開腹手術も提案・実施させていただいております。また、上位には入りませんでしたが乳癌・甲状腺癌にも対応しております。

骨盤、股関節、脊椎外傷が多く特に、高齢者に多い大腿骨頸部骨折、脊椎圧迫骨折への対応が増えています。疾患により、手術治療、保存治療から最適な治療を行い、当院で急性期治療後に回復期リハビリテーションでの治療を継続するため、転院率が高くなります。

地域周産期母子医療センターであり、市の産婦人科救急医療機関の一つとしてハイリスク妊娠の管理や他施設からの母体搬送の受け入れを行っています。また、総合病院であることから合併症のある方の妊娠管理、ハイリスク妊娠ではない周辺地域の方の分娩施設としての診療も行っています。

白内障手術が主ですが、緑内障など病気の状態でその他の手術も行います。黄斑疾患に対する硝子体注射は通院で行います。

「前庭機能障害」はメニエール病などの耳の前庭部分から来る「めまい」への対応です。さらに突発性難聴、顔面神経麻痺といった神経耳科疾患への対応が多くを占めております。他にも急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍等の急性感染症も多く対応しております。

• 3例は原発性アルドステロン症の手術適応を決定するのための副腎静脈サンプリング目的の入院で、その結果により方針が決まります。全国平均に比べて在院日数が短いのが当科の特徴です。
• その他腎腫瘍および後腹膜腫瘍の経皮的CTガイド下生検のための入院で同様に全国平均に比べて在院日数が短いです。

帯状疱疹や膿皮症の中でも蜂窩織炎の入院が多くを占めております。

泌尿器科の主な疾患である、前立腺肥大症、尿路結石、膀胱癌に対して幅広く治療を行っています。

結石性腎盂腎炎の方も積極的に受入て治療を行っています。

腎硬化症、糖尿病性腎症による慢性腎臓病（CKD）の入院が多くを占めております。特に腎代替療法に関わる内シャント作成術の入院、その後の血液透析導入の入院の割合が多いです。腎生検、糸球体腎炎、血管炎、ネフローゼ症候群に対する治療、腹膜透析関連入院は一定数を維持しております。患者層の高齢化を反映して、合併症の精査加療や、在宅生活継続困難症例に対する退院調整を要するケースも増えており、入院は長期化傾向です。

全国平均とおおよそ同様の座位医院日数で退院しています。

生活習慣病を背景とした虚血性心疾患は未だに多く、高齢化を反映して心不全患者様が増加していますが、比較的全国平均と比較して短期間での入院加療で退院出来ています。

５大癌の患者数は概ね例年と同じですが、総数として若干増加傾向です。胃癌、大腸癌の総数が若干増加し、肺癌は減少しています。

5大がん以外では膵癌や前立腺癌の増加に注意が必要です。

市中肺炎とは、通常の日常生活を送っている中で起こる肺炎のことを言います。（入院中に起こる院内肺炎に対した用語です）

市内の医療機関からの信頼を得て、中等症以上の肺炎が集まっています。重症化と共に患者の高齢化が認められ、また平均在院日数も延長しています。

中心静脈注射用植込型カテーテルは抗がん剤の投与を確実に行う目的でがんの患者さんに行っていますが、誤嚥性肺炎のため経口摂取が難しくなる高齢者が増加しており、同カテーテルを留置して高カロリー輸液をする症例が増えています。

肺炎が進行し膿胸になると外から管を入れて膿を外に出す（ドレナージ）が必要となります。経皮的膿胸ドレナージ術が必要な患者さんは増加傾向です。

大腸ポリープの内視鏡治療、総胆管結石や胆膵悪性腫瘍に関する内視鏡治療治療が上位を占めています。

小児科関連の手術は、新生児仮死蘇生術 (第1度、第2度)が主体（16/27）を占めています。腸重積の5例中1例が手術目的で、新生児仮死2度の5例中1例が低体温療法を目的で転院となっています。

胆石・胆嚢炎に関連した腹腔鏡下胆嚢摘出術、また腹腔鏡・胸腔鏡下での鼠径ヘルニア手術及び虫垂切除術が上位を占めております。

股関節外傷に対する骨接合術、脊椎疾患に対する陰圧術、固定術、人工骨頭の手術が件数の上位を占めています。

また、上肢疾患にも対応しています。

産婦人科としては婦人科診療よりも産科診療が主体となっており、帝王切開術を含めた産科手術の割合が高くなっています。

前眼部の手術（翼状片、眼瞼など）は入院と日帰り両方で行います。光凝固治療は網膜は外来で、急性緑内障は眼の状態で入院治療後と外来のいずれかで治療を行います。

扁桃摘出術や、滲出性中耳炎の治療となる鼓膜チューブ挿入術、慢性副鼻腔炎の治療となる内視鏡下鼻・副鼻腔手術が多くを占めております。

肺動静脈瘻に対する経皮的肺動脈塞栓術後のための入院で、入院当日に施行し術後3日目に退院となっております。

皮膚、皮下の良性腫瘍（ほくろやいぼ等のできもの）の摘出術が多くを占めております。

年間に80件程度の経尿道的前立腺ツリウムレーザー蒸散術を行っています。

膀胱癌や尿路結石への経尿道的手術は年間60例程度行っています。

腎癌や腎盂尿管癌に対する腹腔鏡手術が年間26件でした。

腎臓内科の手術としては内シャント手術が最多ですが、例年よりやや減少しました。腹膜透析カテーテル留置術および経皮的シャント拡張術・血栓除去術もは多少増減ありますが、一定数維持しております。

心疾患だけでなく、下肢閉塞性動脈硬化症に対する介入治療が近年増加しています。

膠原病を有する高齢者で、感染症などを契機に、食事摂取ができない症例に対しては、中心静脈注射用植込み型カテーテルからの栄養補給も必要になることがある。また、高齢化を背景に他疾患の合併がある症例も多く、鑑別のためのリンパ節生検や、総胆管結石への対応を必要として症例もあった。

悪性腫瘍や感染症などの基礎疾患を背景に起こる重篤な合併症として知られる播種性血管内凝固症候群（ＤＩＣ）、敗血症およびその他の真菌感染症（カンジダやアスペルギルス、クリプトコッカスなどがあります）の発生率、また、手術、処置等の合併症（薬剤性ショックや カテーテル感染、術後の出血他）の発生率をそれぞれ表にしています。

入院契機の「同一」「異なる」は、入院の契機となった病名と医療資源を最も使った病名が同一か異なるかを表しています。

入院時より重症の患者様を受入れ、発症早期に重篤な合併症を併発する場合と、治療後の経過で入院後に合併する場合があります。

その他の真菌感染症や手術・処置等の合併症も件数も表の通りですが、術後の合併症は極力減少させるよう努めております。