独立行政法人 地域医療機能推進機構 北海道病院

和痛分娩詳細

和痛分娩詳細

●当院における和痛分娩の方法

・当院の和痛分娩は、完全予約制です。
・和痛分娩の方は、妊娠38-39週の計画分娩となります。
・妊娠36週以降に、和痛分娩外来を受診し、必要な検査や診察のあと、医師が和痛分娩が可能であるか最終判断をいたします。
和痛分娩パンフレット (ここをクリック)

●和痛分娩予約方法

・当院の和痛分娩は、経産婦のみを対象としています。
・和痛分娩適応チェックリストは、項目すべてを満たす必要があります。
・和痛分娩を希望される方は、妊娠32週頃までに担当産科医にお伝えください。
和痛分娩の適応チェックリスト (ここをクリック)

●硬膜外麻酔

硬膜外麻酔とは、腰椎硬膜外腔に細いチューブを挿入し、麻酔薬を注入して弱い下半身麻酔をかけ疼痛を緩和します。
麻酔をするときは、横向きになり、背中をエビのように丸めた姿勢で、細い注射針で痛み止めの注射を実施します。
その後、背中に硬膜外針を刺入、その内腔から径1mmほどのカテーテルを先端が硬膜外腔になるように留置します。
カテーテルから麻酔薬を注入することにより、痛みをコントロールします。
当院では、麻酔科専門医が行います。

硬膜外麻酔の副作用
・低血圧
・はき気
・かゆみ(薬で発疹が出たことがある方は、必ず事前にお伝え下さい)
・尿意を感じない、尿を出しにくい
・発熱
・下肢に力がはいりにくい
※上記の副作用は、一過性のものです。薬液の効果が無くなれば消失します。
※赤ちゃんへの副作用はほとんどないといわれています。

硬膜外麻酔の分娩への影響
・麻酔開始時の胎児一過性徐脈
・微弱陣痛
・回旋異常
・吸引分娩や子宮底圧迫法による補助の必要性が増加する可能性
・計画分娩では、帝王切開への移行が増加する可能性
・児娩出後の子宮収縮が不良になる可能性
※影響に留意して、産科医師・助産師が適切な対応をします。

硬膜外麻酔の合併症
・放散痛、背部痛
・硬膜穿刺と頭痛
・硬膜外カテーテルのくも膜下腔迷入と薬剤注入による全脊髄くも膜下麻酔(急な脱力など)
・硬膜外カテーテルの血管内迷入と薬剤注入による局所麻酔薬中毒(耳鳴り、味覚異常、呼吸障害、意識障害など)
・神経学的合併症(出血・血腫・感染による下肢のしびれ、感覚鈍麻など)
※重大な合併症は非常に稀ですが、合併症に常に留意し、麻酔科医師の指示の下、適切な予防策、対応策を行います。

●留意事項

・予定された和痛分娩前に、陣痛発来や破水をした場合は、和痛分娩を実施することはできません。
・安全性を優先し、日勤帯(9:00~17:00)のみでの実施となります。夜間・休日は実施しません。
・和痛分娩を実施することができるのは、1日のみです。
・予約をしていても、予定帝王切開が決まった場合(骨盤位など)は、帝王切開の手術前検査をおこなった時点で、仮予約をキャンセルさせていただきます。
・指輪・ネイル・エクステ・アクセサリーは、必ず外しておいてください。
・コンタクトレンズの方は、メガネもご用意ください。

●和痛分娩の料金

基本料金は、分娩料金+15万円です。
外来での血液検査に、別料金(17000円程度)がかかります。
(血液検査の結果により、和痛分娩ができないと判断された場合でも返金はできません)
最終的に和痛分娩に至らなかった場合で、和痛分娩のための処置(硬膜外カテーテル留置)を実施した場合は、料金は全額いただきます。
例)和痛分娩を予定通り実施したが、対応時間内に分娩とならず、夜間に麻酔なしで分娩した。
例)和痛分娩を予定通り実施し、対応時間内に分娩となったが、期待した効果はなく、痛かった。
例)カテーテル留置後、本人の希望変更があり、和痛分娩を実施しないことになった。

●無痛分娩講習会や緊急対応などの受講歴

JALA(無痛分娩関係学会・国体連絡協議会)カテゴリーD講習 6名
NCPR(新生児蘇生法) 29名
ALSO(周生期医療支援機構) 3名
J‐CIMELS(日本母体救急システム普及協議会) 3名

☆ 無痛分娩(和痛分娩)に興味がある方は、JALA(無痛分娩関係学会) のホームページをご覧ください