診療・各部門
薬剤部
当院では電子カルテシステムを導入しており、処方患者の検査値や病歴などのデータも参照しながら、腎機能に応じた用量調節の必要性や疾患禁忌などを確認して、適宜医師への疑義照会を行うなど、医薬品の適正使用に努めています。
内服薬処方箋は、内容・種類・用法用量・飲み合わせ(重複投与、相互作用など)・投与期間などを調剤支援システムと薬剤師のチェックを行い、入院患者、の外来患者、介護老人保健施設入所者の調剤を行っています。また、医師の負担軽減の観点から、院内で承認された一部の処方修正代行業務を行うことで、薬剤師へのタスクシェア/タスクシフトにも積極的に取り組んでいます。
注射薬処方箋は、内容・投与量・投与経路・速度・投与期間などのチェックを行い、患者ごとに取り揃え、1回施用分ずつセットして病棟に払い出しています。また、温度管理、遮光、注射薬の調製・混合における配合禁忌や配合手順などに注意が必要な薬剤にはリマインダーを添付することで使用部署へ正しく医薬品を取り扱うための情報提供も行っています。
1)調剤・注射調剤業務
当院では電子カルテシステムを導入しており、処方患者の検査値や病歴などのデータも参照しながら、腎機能に応じた用量調節の必要性や疾患禁忌などを確認して、適宜医師への疑義照会を行うなど、医薬品の適正使用に努めています。
内服薬処方箋は、内容・種類・用法用量・飲み合わせ(重複投与、相互作用など)・投与期間などを調剤支援システムと薬剤師のチェックを行い、入院患者、の外来患者、介護老人保健施設入所者の調剤を行っています。また、医師の負担軽減の観点から、院内で承認された一部の処方修正代行業務を行うことで、薬剤師へのタスクシェア/タスクシフトにも積極的に取り組んでいます。
注射薬処方箋は、内容・投与量・投与経路・速度・投与期間などのチェックを行い、患者ごとに取り揃え、1回施用分ずつセットして病棟に払い出しています。また、温度管理、遮光、注射薬の調製・混合における配合禁忌や配合手順などに注意が必要な薬剤にはリマインダーを添付することで使用部署へ正しく医薬品を取り扱うための情報提供も行っています。
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2)無菌製剤調製業務
注射抗がん剤(入院・外来)、TPN(中心静脈高カロリー輸液)を安全キャビネット、クリーンベンチで無菌的に調製しています。
注射抗がん剤は、レジメン部会において承認、登録された化学療法レジメンのみ使用しており、また注射抗がん剤の化学療法注射処方箋は、調剤前に薬剤師により、患者の適用がん種、身長・体重・体表面積、抗がん剤の種類、経口剤との併用の有無、投与量、投与日、休薬期間、支持療法薬などのチェックを行い、患者ごとに履歴管理を行っています。
3)薬務業務
医薬品の在庫を適正化し、適切な購入、法令を遵守した保管・管理(麻薬・向精神薬・毒薬・劇薬、特定生物由来製品など)、供給が行われるように努めています。当院では医薬品SPDを導入し、医薬品の購入・在庫管理・有効期限チェック等の品質管理・病棟・老健施設への薬剤搬送など、非薬剤師へのタスクシェア/タスクシフトも進めています。
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4)病棟薬剤業務
各病棟に専任の薬剤師を配置し、持参薬の確認や同種同効薬などの代替薬提案等の服薬計画立案、処方薬および注射薬の薬歴管理、ハイリスク薬の投与量や投与速度の確認、入院時・入院中・退院時における服薬指導、カンファレンスへの参加、採用薬・非採用薬に関する医薬品情報提供、感染症に対する抗菌薬などの初期投与設計やバンコマイシンなどの薬物治療モニタリング(TDM)、部署定数配置薬の在庫適正化、救急カートの薬剤の定期点検など、様々な業務を行っています。病棟専任薬剤師は、医師や看護師などの多職種スタッフと連携をとり、個々の患者に適した薬物療法が行われるよう処方提案や投与設計などの薬学的管理を積極的に行っています。
5)チーム医療
薬剤師は以下に示した医療チームに参画し、チーム医療に貢献しています。
- 感染対策チーム(ICT) 感染対策室医師、専従看護師(ICN)、微生物検査技師とともに環境ラウンドに参加したり、消毒薬の使用状況の確認などを行っています。
- 抗菌薬適正使用支援チーム(AST) 抗菌薬適正使用指針に基づいて定められた届出を要する指定抗菌薬に加えて、免疫不全患者などに使用されることが多い広域抗菌薬、注射抗真菌薬、注射抗サイトメガロウイルス薬の投与患者の投与量、投与日数、培養結果、感染症関連検査結果などをモニタリングして、必要に応じてASTとして抗微生物薬適正使用に関する推奨を主治医にフィードバックしています。
また、感染対策委員会において抗微生物薬の使用状況に関する報告を行う他、クリティカルパス委員会において周術期抗菌薬の適正使用を図っています。
さらに、感染対策向上加算連携カンファレンスにおいて、加算連携施設とともに抗菌薬使用状況を定期的に共有し、地域の抗菌薬適正使用にも努めています。 - 栄養サポートチーム(NST) 医師、看護師、管理栄養士、言語聴覚士と共に、週1回カンファレンス、回診に参加しています。
薬剤師は対象患者の使用薬剤から、栄養障害を起こし得る薬剤や副作用を把握、栄養改善につながる治療があれば提案を行い、経腸栄養や高カロリー輸液処方への関与、栄養計画変更後の副作用モニタリングを行っております。 - 褥瘡ケアチーム 医師、看護師、管理栄養士、作業療法士と共に、週1回カンファレンス、回診に参加しています。
薬剤師は、褥瘡の原因となる薬剤の使用、薬剤による過鎮静や活動性の低下の有無など、薬剤から褥瘡発生につながるリスクがないか、また、栄養と深く関連するため、経腸栄養や高カロリー輸液など栄養治療の状況把握を行い、情報提供しています。 - 糖尿病教室
入院患者とその家族を対象に、月に1回糖尿病教室を開催しております。医師および糖尿病療養指導士を持つスタッフを中心に、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士が担当しています。
薬剤師は、薬の効き方や服用上の注意点、インスリン自己注射の手技や管理、低血糖時やシックデイ時の予防法・対処法などについて説明をしています。 - 身体拘束最小化チーム
身体拘束最小化チームへの薬剤師の参画は、患者の安全とケアの質向上に大きく寄与します。必要に応じてカンファレンスに参加し、薬物療法の専門家として鎮静剤や向精神薬の適切な使用を提案し、身体拘束が最小限になるよう、多職種と連携し活動しています。 - 腫瘍センター会議・レジメン部会
がん患者のケアに関する多職種会議に参加しています。また、レジメン部会の事務局を担っており、新規レジメン申請時には、根拠論文も合わせて確認するとともに、抗がん剤ばかりでなく、支持療法薬を含めた適正性の評価を行うことで、がん化学療法の有効性と安全性が確保されるよう努めています。
(抗がん剤レジメンに関する情報はこちら)
6)医薬品情報管理業務
医薬品医療機器総合機構(PMDA)、製薬企業、医薬品卸などから得られた医薬品情報・資料の収集と整理及び管理を行い、医薬品が安全かつ適正に使用されるよう患者さんや医療従事者へ情報提供を行っています。
また、医薬品供給に関する情報を定期的に収集し、出荷調整品目について医師や看護師への在庫状況や代替薬などの情報を提供しています。
さらに、薬事委員会事務局を担っており、医薬品の新規採用・削除に関する情報伝達、医薬品オーダマスタ管理、後発医薬品およびバイオ後続品への切替提案、プレフィルド化薬剤への切替提案、同種同効薬の見直し提案、限定採用薬の使用状況、医薬品副作用発生状況(PMDAおよび製薬企業への報告の有無を含む)、市販後調査に関する報告などを行っています。特に、抗菌薬や消毒薬の採用に当たっては、感染対策室と連携して抗菌薬適正使用に努めています。
これらの情報は、DIニュースとして、院内の医療従事者に向けて定期的に周知しています。
(医薬品宣伝許可に関する情報はこちら)
7)医薬品安全管理業務
医薬品安全管理責任者主導のもと、特に安全管理が必要な薬剤(ハイリスク薬)の選定や保管・管理、薬剤の取り違え防止、使用時の安全性確認、などといった医薬品が安全に使用されるための仕組みづくり、職員への教育・研修に取り組んでいます。
8)治験管理業務
治験が円滑に進むように治験施設支援機関の治験コーディネーター(CRC)とともに、治験責任医師の支援、治験審査委員会(IRB)の運営や治験薬の管理、治験事務局業務を行っています。
9)外来患者への薬剤指導業務
経口抗がん剤、注射抗がん剤、それらの組み合わせの化学療法レジメンを開始される外来患者さんに対して、薬の作用、副作用、用法用量、飲み合わせや療養上の注意点に関する説明を行い、必要に応じて保険薬局の薬剤師の先生方と連携を図っています。
10)総合支援センター(GSC)における入院前持参薬管理業務
ご入院される患者さんの服用薬を入院前に確認することで、例えば、手術前に休薬すべき薬剤が含まれていないか、手術の何日前から休薬するのか、などの入院後の治療に関する薬剤管理を行っています。
11)院外調剤薬局との連携(院内薬薬連携協議会)
近隣の保険薬局と合同で薬薬連携に関して協議する会を設けることで、地域における薬物療法の質向上に関する最新の知見を学んだり、それぞれの立場からお互いの情報を交換することで、病院と薬局との薬物療法のシームレス化に努めています。
12)認定・専門薬剤師等の取得推進
認定・専門薬剤師の取得により、より質の高い薬学的ケアが行われるよう、学会や研修会の参加を推進しています。
13)新入薬剤師における初期研修
新入薬剤師が一人前の病院薬剤師としてひとり立ちできるよう、調剤、注射調剤、注射薬無菌調製、病棟薬剤業務・薬剤管理指導など幅広く経験できる体制を整備するとともに、メンターを設けることで丁寧かつ細やかな教育指導が受けられる環境づくりをしています。
14)薬学実務実習の受け入れ
実務実習認定指導薬剤師が中心となって計画した実習プログラムに基づき、調剤、注射調剤、無菌調製、病棟薬剤業務・薬剤管理指導、医薬品情報管理など様々な薬剤師業務を学んでいただけるように調整しています。
薬剤部スタッフの資格 (2024.5現在)
認定資格 | 人数 |
---|---|
博士(臨床薬学) | 1名 |
日本医療薬学会 医療薬学指導薬剤師 | 1名 |
日本医療薬学会 医療薬学専門薬剤師 | 1名 |
日本医療薬学会 薬物療法指導薬剤師 | 1名 |
日本病院薬剤師会 感染制御専門薬剤師 | 1名 |
日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師 | 1名 |
日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師 | 6名 |
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師 | 2名 |
日本腎臓病薬物療法学会 腎臓病薬物療法認定薬剤師 | 1名 |
日本医薬品情報学会 医薬品情報認定薬剤師 | 1名 |
日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療専門薬剤師 | 1名 |
日本糖尿病療養指導士認定機構 日本糖尿病療養指導士 | 1名 |
日本くすりと糖尿病学会 糖尿病薬物療法認定薬剤師 | 1名 |
日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師 | 1名 |
日本栄養治療学会 NST専門療養士 | 1名 |
薬学教育協議会 認定実務実習指導薬剤師 | 2名 |
放射線部
私たちは、高度な医療機器と技術で、良質な検査を提供致します。
放射線部は、主に放射線(X線)を利用して診断および治療を行う医療の設備や技術を担当する部門です。放射線部長および放射線診断科医師のもとで、診療放射線技師が中心となり、CT・MRI・核医学検査などの画像診断検査技術の向上に日頃より励み、精度の高い検査を実施しています。また、救急医療や血管内治療、内視鏡的治療にも参画し、緊急検査や治療にも対応しています。さらに、各診療科との連携から様々な検査データを駆使した治療支援画像の提供等にも取り組んでいます。 地域医療連携では、関係医療機関から依頼のある検査の受け入れを積極的に行っています。健康管理センターでは、胃X線検査やマンモグラフィー検査、骨密度測定検査、脳ドック(MRI)、肺がん検診(CT)で、がん等の早期発見に努めています。また、専門知識を生かした放射線被ばくの安全管理に加え、医療事故の防止に努め、地域の皆様の立場に立ち、安心で安全な検査を受けて頂けるように努力しています。
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放射線部内医療機器のご紹介
※画像をクリックすると説明のページに移動します。
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認定資格
診療放射線技師の業務は、多様化や専門化が進んでおり、より高度な技術が要求されてきています。関連する学会や職能団体が、専門性を重視した各種の認定資格制度を設けており、その業務に関して十分な知識・技能を持ち合わせていることの客観的な指標となっています。
認定資格取得一覧
資格取得状況(2015.12現在)
認定資格 | 人数 |
---|---|
胃がん検診専門技師(日本消化器がん検診学会) | 3 |
検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師(マンモグラフィ検診精度管理中央委員会) | 3 |
医療情報技師(日本医療情報学会) | 2 |
X線CT認定技師(日本X線CT専門技師認定機構) | 2 |
救急撮影認定技師(日本救急撮影技師認定機構) | 1 |
核医学専門技師(日本核医学専門技師認定機構) | 1 |
放射線管理士(日本放射線技師会) | 1 |
医療被ばくのQ&A
Q.放射線って…… 何ですか?
A.物を透かして見ることのできる光の仲間です。
放射線は、(可視)光線 や(ラジオなどの)電波、(電子レンジで使われる)遠赤外線などと同じ電磁波の一種です。放射線は電磁波の中で
最も波長(波の長さ)が短いため、あらゆる ものを通り抜けることができます。この性質を利用して、身体の中を見るために、病院
において放射線の検査に使用されています。しかし、混雑した人ごみの中 を通り抜けるときに周りの人に当たるように、放射線も狭い物
質の中を通り抜けるときに周りの物にぶつかってしまいます。これが、放射線による影響と呼ばれ る事象です。
放射線は光の仲間です。X線(レントゲン)撮影では、人工的にX線を出力して撮影します。よって、撮影している時以外ではX線は出て
いませんので、身体にも残りませんし、検査室内に漂うこともありません。ただし、放射線治療等で用いられている放射線を出す物質は、
放射線を出し続けますので、近くにあれば被ばくをします。しかし、レントゲン室やCT室では使用するものではありませんので問題あり
ません。
MRIは、磁石と電波を使って、写真を撮る機械です。よって、放射線は使用しませんので、被ばくはしません。
Q.放射線の検査を何回も受けていますが、大丈夫なのでしょうか?
A.一般的な放射線の検査を受けて、何か起こったという報告は、今のところありません。
人体への放射線の影響 は、放射線の種類や量、被ばくされた形態により、ある程度予測することができます。一般的な放射線検査におい
ては、よく報じられている発がんの可能性以外 は考えられません。しかし、放射線による発がんの可能性が推察された量は、一般的な放
射線検査で被ばくされる量と比べて、桁違いに大きいです。過度に御心 配されないで頂ければと思います。
放射線検査は、医師が必要と認めて指示を出し、それにより検査が行われます。ご心配な方は、医師とご相談ください。
放射線の影響は、放射線 を出すものを体に取り込まない(内部被ばくでない)限り、基本的には蓄積されません。よって、人体への放射
線の影響は、その場限りの被ばくした量で考えま す。発がんの可能性が推察される被ばくの量は、CTと比べて5~20倍です。胸部レ
ントゲン写真に至っては、500倍以上になります。
学術的には、非常に少ない放射線の量でも、発がんの可能性はあると言われています。しかし、一般的な放射線検査で受ける被ばくの量は
非常に少なく、問題とされる事はありません。
これらより、一般的な放射線検査を数回受けた程度では、発がんの可能性が推察された被ばくの量には達しません。具体的な数値等をご希
望の場合は、お問い合わせ下さい。
放射線は、鉛やコンクリートの入った扉でない限り通り抜けますので、病室から退出しても意味がありません。お忙しかったのでしょう。
ちなみに、放射線検査室 の扉は鉛が入っており、周囲はコンクリートで囲まれていますので、外に漏れる心配はありません。また、病室
の撮影で使用される放射線は、非常に少ない放射 線の量のため、2m以上離れていればほとんど被ばくしません。よって、病室で写真を
撮られる方の隣の方も、写真を撮る時に、病室を退出する必要はありませ ん。
写真を撮る部位以外は、放射線を当てていません。よって、お子様 の他の部位を防護することは、基本的にはありません。しかし、跳ね
返ってくる放射線(散乱線)はありますので、付き添いの方には防護衣を着て頂いていま す。散乱線に対するお子様の防護は、主に体内
から跳ね返ってくるものなので、放射線を当てた周りを囲っても防ぐことができませんので、防護衣をしておりま せん。小児の撮影につ
きましては、なるべく必要最小限度の放射線の量で撮影するように、日々心がけております。
被爆は、原子爆弾で放射線や熱風等を浴びた時に使用される言葉です。被曝は、一般的に放射線を身体に受けた時に使用される言葉です。
漢字一字だけの違いですが、身体への影響等は全く異なるため、大きな違いです。
当院における一般撮影での放射線の量を、以下に示します。
検査部
検査部は、検体検査・生理検査・病理検査・細菌検査・輸血の部門があります。病気の予防や早期発見、診断や治療効果に必要な検査情報を、迅速かつ正確に提供できるよう取り組んでいます。チーム医療の一員として、多職種とコミュニケーションをとりながら地域医療の貢献に努めています。
スタッフ
常勤臨床検査技師 18名
非常勤臨床検査技師 4名
検査部認定資格取得者数
認定資格 | 人数 |
---|---|
細胞検査士 | 4名 |
国際細胞検査士 | 2名 |
認定病理検査技師 | 2名 |
超音波検査士(腹部) | 7名 |
超音波検査士(体表) | 2名 |
超音波検査士(循環器) | 1名 |
日本乳がん検診精度管理中央機構超音波技術認定者 | 4名 |
認定心電検査技師 | 1名 |
日本臨床衛生検査技師会認定制度管理責任者 | 3名 |
日本臨床衛生検査技師会認定臨地実習指導者 | 1名 |
医療安全管理者 | 1名 |
特定化学物質四アルキル鉛等作業主任者 | 2名 |
有機溶剤作業主任者 | 2名 |
感染制御認定臨種応微生物検査技師(ICMT) | 1名 |
認定臨床微生物検査技師 | 1名 |
【検体検査部門】
検体検査部門は診察前検査として採血後の迅速な検査結果報告を行っています。
内部精度管理や外部精度管理調査参加を行うことによって、正確な検査データーを提供できるように努めています。また24時間体制で緊急検査に対応しています。
検体検査部門は生化学検査、免疫・血清検査、血液検査、一般検査、輸血検査に分かれています。
- 生化学検査
短時間で多項目を測定できる自動分析機を使用し測定しています。
血液、尿、穿刺液中に含まれる生化学成分 (酵素、蛋白質、脂質、電解質、免疫抗体価)の定量分析を
行っています。肝機能、腎機能、膵臓機能など主たる臓器の機能異常の診断に欠かせない検査です。 - 免疫・血清検査
感染症検査:B型肝炎、C型肝炎、HIVなどのウイルスや細菌などの病原菌に感染したときの生体
防御反応(免疫反応)で出現する抗体価を測定します。
免疫血清検査:腫瘍マーカー、甲状腺ホルモン、血中薬物濃度、心臓関連マーカー等の測定をします。 - 血液検査
血算・血液像検査:自動血球計算装置で赤血球数、白血球数・白血球分類、血小板数を計測します
貧血や血液の病気の有無、炎症の状態、出血傾向などを検査します。
凝固・線溶系検査:血液中の凝固因子、線溶系の機能を検査し、出血、止血などの治療に役立てます。
血糖検査:血液中の血糖、HbA1Cを測定し糖尿病の診断に役立てます。 - 一般検査
尿検査:尿中に含まれる蛋白や糖の分析や細胞の種類を検査することで主に腎臓・泌尿器系の診断に
役立てます。
便検査:消化器系の出血の有無を調べることで潰瘍や癌の発見に役立てます。
その他髄液検査、胸水、腹水の検査も行っています。 - 輸血検査
病気や手術による出血や貧血状態時に足りない成分を補充することを主な目的として行われます。
輸血に伴う検査(血液型・不規則抗体、交差適合検査)、輸血用血液製剤の保管、輸血後の管理など
24時間体制で対応しています。
【生理検査】
生理検査とは、検査技師が医療機器を用いて患者さんに接して行う検査です。患者さんが安心して正確な検査が受けられるように、超音波検査士などの認定・資格の取得や、学会・研修会などに積極的に参加し、技術・知識の向上に努めています。
- 超音波検査
肝臓や胆嚢、腎臓などの腹部や心臓、乳腺、甲状腺など色々なところに、体の外から耳では聞き取れないような高い周波数の音波を当てて異常がないかを調べる検査です。超音波検査は放射線被曝や痛みがなく、安全に繰り返し検査を行うことができます。 - 心電図検査
心臓が規則正しく動いているか、心臓の大きさや心筋に異常がないかなどを調べる検査です。動悸や胸痛の原因を調べるために、24時間に渡り心電図を記録する、ホルター心電図という検査をする場合もあります。 - 肺機能検査
大きく息を吸ったり吐いたりした時の量や勢いで、肺の状態を調べる検査です。炎症の有無をみるために、呼気中の一酸化窒素を測るNO検査もしています。 - その他
動脈硬化を調べるABI検査や、てんかんなどを調べる脳波検査、睡眠時無呼吸症候群の有無や程度を調べるPSG検査なども実施しています。
【病理検査】
患者さんの病変などから採取された組織や細胞から顕微鏡で診断するための標本を作製し、どのような病気であるかを診断する検査です。病理診断は最終診断であり、患者さんの治療方針の決定や治療効果の判定・予測などに貢献します。臨床検査技師が標本作製を行い、病理医が診断を行っているため、技師と病理医が日々連携を取り合って正確な検査に努めています。
- 病理組織検査
生検や手術などで採取された組織検体を適切な固定操作を行い、顕微鏡下で観察できるように薄く切り、スライドガラスに貼り付け、染色することで良悪、炎症の原因などの質的診断をします。必要に応じて特殊染色、免疫組織化学染色を実施し最終診断に寄与しています。 - 細胞診検査
患者さんの病変部をエコー下で狙って採取する方法や尿や胸腹水などの体液から細胞を集める方法、子宮頸部など擦過する方法など様々な採取方法があり、良悪の判定を行っています。それぞれの検体材料で判定基準が設けられ、定期的に各学会で改訂されています。
判定は認定を受けた細胞検査士がスクリーニング判定を行い、問題がある細胞が出現した場合など良悪の診断などを細胞診専門医が行います。
また、消化器内視鏡領域の穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)検査において、迅速細胞診(ROSE; Rapid on-site evaluation)にてon-siteにて採取検体の評価を行っており、チーム医療としても貢献しています。 - 術中迅速病理診断
手術中に癌細胞の有無を確認する検査です。いずれも通常の検査と異なったプロトコルで標本作製を行い、迅速診断として病理医(細胞診専門医)から術場の医師に報告しています。
病理組織検査 診断までの時間:5~15分程度
目的:切除された臓器の断端評価、腫瘍部やリンパ節などに癌があるか
細胞診検査 診断までの時間15~25分程度
目的:主に体腔洗浄検体で、播種や浸潤の有無の確認 - 病理解剖 (剖検)
ご遺体の体の内部をくまなく調べ、疾患の全貌を明らかにすることを目的とします。死因や生前の診断が正しかったか、病気の進行度などを究明し遺族に剖検結果を伝えることにより、医療に対する信頼と理解が得られます。また治療や亡くなるまでの過程を検証し、臨床病理検討会(CPC)を通じて情報を共有でき、他の方法では得がたい医療技術の向上への貢献が期待されます。
【細菌検査】
患者さんの痰、尿、便、血液、膿などの検体から感染症を引き起こしている原因菌を特定し、治療に有効な抗生剤の種類を調べる検査を行っています。また、ウイルスや細菌を短時間で検査可能な抗原検査も実施しています。
- 一般細菌検査
・グラム染色
検体中に存在する細菌や真菌をグラム染色液で染め、顕微鏡で形態や色を観察することにより迅速に原因菌の推定が可能となる検査です。治療に適切な抗生剤を選択し、早期に感染症治療を開始することにも役立ちます。
・同定感受性検査
検体から原因菌を培養して菌種や菌名を特定し、どの種類の抗生剤が有効かを調べる検査です。複数の抗生剤の効果を無効にする薬剤耐性菌が検出されることがあるため、院内感染対策において注意しなければいけない薬剤耐性菌が特定された場合は、速やかに感染制御チーム(ICT)へ報告し院内感染の発生を防ぎます。 - 抗酸菌検査
検体中に存在する結核菌や非結核性抗酸菌を調べる検査です。一般細菌検査と同様に染色や培養を行い、同定感受性検査を実施します。当院は結核病棟を有する指定医療機関のため、PCR検査(遺伝子検査)を導入し、より迅速に結核菌の有無を報告できるよう努めています。 - 抗原検査
鼻やのどから採取した綿棒や便などを用いて、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、A群溶連菌などが存在しているかを調べる簡易的な検査です。抗原検査キットを使用し、数分~30分程度で迅速に結果を知ることができます。
リハビリテーション部
当院リハビリテーション部は、病院での急性期リハビリテーションと老人保健施設での生活期リハビリテーションを中心に提供しています。リハビリテーション室は3階、藻岩山側に面しており、車いすの方でもよく見えるように床から全面のガラス窓にするなど工夫した造りになっています。
介護老人保健施設 通所リハビリテーションについてはこちらをクリック。
スタッフ数
スタッフ(常勤)
・理学療法士(PT) 16名
・作業療法士(OT) 6名
・言語聴覚士(ST) 5名 合計27名
(内、理学療法士4名、作業療法士1名は付属老人保健施設勤務)
施設基準
・脳血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)
・廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)
・運動器リハビリテーション料(Ⅰ)
・呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)
・心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)
・がん患者リハビリテーション料
その他、摂食機能療法にも取り組んでいます。(2023年度実績言語聴覚士実施193件、病棟看護師実施4,671件)
2021年度実績
<理学療法部門>
理学療法とは、運動療法や物理療法によって、身体機能の回復や、悪化を予防するためのリハビリテーションの一部門です。 当院のリハビリテーション部には11名の理学療法士が勤務しており、あらゆる急性疾患に対して、安全で効果的なリハビリテーションを提供できるように、専門性の高い理学療法士が勤務しております。当院には多くの診療科がありますので、それぞれの患者さんのニーズに合った対応を心がけております。
運動器疾患
当院では骨折などの外傷性疾患や、変形性関節症や椎間板ヘルニアなどの変性疾患など整形外科疾患全般対しリハビリテーションを実施しています。保存療法・手術療法とも入院1~2日目から介入し(手術療法の場合は手術前から実施しています。)、歩行をはじめとする日常生活動作の獲得を目指します。 また通院治療が可能な疾患に対しては、入院リハビリテーションから、外来リハビリテーションへ円滑に移行し、元の日常生活へ復帰できるように、継続的なサポートを行っております。
内部障害(呼吸・循環・代謝疾患)
当院では呼吸器センター,循環器内科,糖尿病・内分泌内科,腎臓内科の患者さんへ積極的なリハビリテーション介入を行っております。 呼吸器疾患では慢性閉塞性肺疾患や間質性肺炎などの慢性疾患が増悪した患者さんでは、運動耐容能を維持・改善し、息切れの改善をはかります。また急性肺炎などの患者さんに対しても、早期から介入しております。昨今では、高齢者で問題となる新型コロナウィルス感染症による身体機能低下に対しても積極的に介入しております。 循環器疾患では心不全や狭心症患者さんに対して、段階的に運動負荷を行い、心機能の回復にあわせた、安全な日常生活の再獲得に努めています。 代謝疾患では糖尿病患者さんへの運動療法や運動指導を行い、自己管理の一環として運動が生活の一部となるように指導しています。最近では血液透析患者さんに対する運動療法を行っており、簡易エルゴメーターや重錘を用いて、透析中に運動療法を行っております。
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外科疾患
外科手術の低侵襲化によって、患者さんの負担は大きく減じましたが、術後の回復には一定の期間が必要となります。当院では、胸腹部外科術後の合併症予防と回復促進のために、術後は積極的なリハビリテーションを行っております。 術後のリハビリテーションを行うことで、呼吸機能や身体機能の回復が促進され、合併症の発生を予防して、円滑な自宅退院ができるように、理学療法士が安全に離床をすすめます。また、全身状態が安定した際には、早期から運動療法を行い、体力の回復に努めます。
その他 (急性疾患・悪性疾患など)
当院では、前述の診療科以外にも、消化器センターや膠原病内科など多くの診療科に、様々な疾患の患者さんが入院されます。疾患によっては、治療のために安静が必要となる場合もあります。安静臥床などの活動性の低下によって身体機能が低下した状態を「廃用症候群」と呼びますが、不必要な安静によって、廃用症候群を生じないために、できるだけ早期から、安全なリハビリテーションを行うことを心がけております。 また「がん」の治療目的に入院された患者さんに対しても、周術期から緩和期を通し、その時期に応じたリハビリテーションを提供しております。
<作業療法部門>
作業療法とは、身体や精神に障がいのある方や、それが予想される方に対して、各種作業活動を用いて主体的な生活の獲得を目指すリハビリテーションの一部門です。心身機能に対する作業活動を用いた治療,高次脳機能障害に対する訓練,日常生活動作の獲得のための練習や、退院後の生活支援のための環境調整,自助具の提案などを行います。 当院のリハビリテーション部には4名の作業療法士が勤務しており、心身機能の維持向上、生活動作の再獲得に重点を置きながら、その人らしく生活できることを支援致します。
心身機能・日常生活動作に対して
入院作業療法では急性疾患によりベッド上生活を余儀なくされる方に対し、起き上がりや起立に必要な練習から始め、徐々に身の回りのことが行えるように支援していきます。また関節変形や息苦しさなどの疾患特性に応じた日常生活動作の指導を行い、必要に応じて自助具の提案を行っています。 外来作業療法では主に上肢整形疾患の機能改善や生活動作の改善を支援しています。
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高次能機能障害・認知症に対して
記憶や計算能力,注意機能等を検査用紙や日常生活の様子から評価し、机上での作業課題や実際の生活場面の中で治療・訓練します。また必要に応じ環境調整を行い日常生活が過ごしやすくなるように支援します。
退院後の生活に対して
退院後、日常生活が行いやすくなるよう地域関連機関と連携を図り、必要に応じて福祉用具の利用や住宅改修の検討を行います。また家族に対する介護指導や助言を行い在宅復帰への支援を行います。長期的なリハビリテーションが必要と予想される場合も、介入初期より退院後の生活を見据えた介入ができるように心がけています。
<言語聴覚療法部門>
言語聴覚療法とは、ことばによるコミュニケーション(言語,聴覚,発声・発音,認知が関与する)に問題がある方に専門的サービスを提供し、支援すること、また、摂食・嚥下の問題についても専門的に対応するリハビリテーションの一部門です。 当院のリハビリテーション部には4名の言語聴覚士が在籍しており、新生児から成人までを対象とした、言語・認知機能障害への支援,聴覚への支援,摂食嚥下障害への支援,栄養療法への関わりなどを行っております。
聴覚への支援
耳鼻咽喉科外来では、新生児から成人までを対象とした各種聴力検査を行います。また、補聴器外来では、聴力検査のほかに補聴器の選択・調整・装用指導の補助業務を行います。
言語・認知機能への支援
言語によるコミュニケーションの問題は、脳卒中後の失語症や構音障害,聴覚障害,ことばの発達の遅れや認知機能障害,発声の障害など多岐に渡ります。問題の本質や発現メカニズムを明らかにしに、対処法を見出すために各種検査・評価や訓練,指導,助言,その他の支援を行います。
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摂食嚥下障害への支援
摂食嚥下障害の疑われる方を対象として、嚥下機能検査(各種嚥下スクリーニング検査:反復唾液嚥下テスト,水飲み検査,フードテスト,OHAT-J)や日常生活場面で観察を行います。また、耳鼻咽喉科での画像診断(嚥下内視鏡検査:VEや嚥下造影検査:VFなど)の補助を行い、総合的に嚥下機能を評価・検討し、訓練・指導を行います。
<院内活動と地域活動>
院内活動
・多職種カンファレンス
現在、整形外科,呼吸器内科,循環器内科,消化器内科,外科,糖尿病,腎臓内科,膠原病内科,泌尿器の9診療科、さらに緩和ケア、NST、人工透析とのカンファレンスに参加しています。
・委員会活動
医療安全管理委員会・感染対策委員会・褥瘡対策委員会・NST委員会・ボランティア委員会など9つの委員会、部会にメンバーとして活動しています。
地域活動
地域活動にも積極的に関わっています。
*地域住民への健康講話
*健康ライフチャンネル(病院HP内)
栄養管理室
医療安全管理室
1)特色
「人間はエラーを犯すもの」という観点に立ち、医療事故を起こした個人の責任を追及するのではなく、医療事故を発生させた安全管理システムの不備や不十分な点に着目し、その根本原因を追究し、これを改善し適切かつ安全で質の高い医療サービスの提供を測ることを目的として、医療安全管理室を設置しています。 医療の高度化・複雑化・効率化等さまざまな医療環境が変化する中でも、JCHO北海道病院を訪れた地域の皆様が安心して医療を受けられるように、安全と信頼の医療が提供できることを目標に活動しています。 また、保安・相談担当は、患者さんやその家族からの声を直接お伺いすることで、その声を反映させるべく各担当部署と協働し、より良い病院づくりに役立てております。また、暴言暴力等の発生を早期に解決し、病院利用者と職員双方の安全を守っております。
2)業務内容
①医療安全管理委員会で用いられる資料及び議事録の作成及び保存、並びにその他委員会の庶務に関すること。
②医療安全確保のための業務改善計画書に関すること
③医療安全に関する日常活動に関すること
④アクシデント発生時の支援等に関すること
⑤医療安全管理室における下記の活動等の記録に関すること
⑥その他、医療安全対策の推進に関すること
医療安全管理指針